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睡眠時無呼吸症候群の症状や対策と治療法は?死亡リスクあり?

   

睡眠時無呼吸症候群

http://www.shida-shika.com/suimin.html

大きないびきをかいて寝ていたのに、急にいびきが止まり、しばらくするとまた大きないびきが始まる……もし家族の中にこのような症状の人がいたら、それは睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り、睡眠中に一時的に呼吸が停止してしまう病気です。
呼吸と無呼吸を交互に繰り返しているので、症状のある人はとても寝苦しい思いをしていることになります。

酸欠状態になると脳が覚醒して、休んでいた筋肉を起こし、呼吸を促します。
苦しくなるたびに脳が覚醒して筋肉を動かす→また眠る→苦しくなってまた覚醒するという行為を繰り返しているのです。

これは眠っているのに体はずっと起きている状態ともいえます。心臓にも大きな負担がかかるため、他の病気と合併症を起こし、病気の悪化あるいは死亡リスクの増加を招きます。
眠りも浅くなり、日中の眠気につながります。

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無呼吸症候群には2つのタイプがある

世間でよく言われている無呼吸症候群は、閉塞性タイプです。しかしもう一つ、いびきをかかない無呼吸症候群があります。それは中枢性タイプと呼ばれています。

閉塞性タイプ

脳から呼吸の指示は出されているものの、物理的な要因で気道が狭まり呼吸を阻害されているタイプです。呼吸したいのにできないのですね。閉塞性は肥満など起こる原因がわかっています。

中枢性タイプ

普段は脳から呼吸の指示が出されているものの、一時的に呼吸の指示そのものが出されなくなってしまうタイプです。呼吸そのものが行われなくなるのですね。中枢性はまだ原因がはっきりと解明されていません。

今回は閉塞性タイプについて取り上げています。

睡眠時無呼吸症候群の症状には何がある?

診断基準は、睡眠中に無呼吸状態が10秒以上続く回数が何回あるかです。
1時間に5回目以上、あるいは7時間に30回以上、無呼吸状態になると睡眠時無呼吸症候群となります。
この状態は心臓に大きな負担をかけるため、様々な病気を誘発する恐れがあります。さらに睡眠不足からくる疲労などが溜まり、過剰なストレスを受けることになります。

睡眠時の症状は、いびきと無呼吸が代表的です。これは本人だと気づくことができません。

他にも
・いびきが止まったかと思うと、今度は大きないびきをかく
・息苦しさ
・トイレが近くなる
・寝汗
・寝ているのにむせる
などがあります。

起きている時にある症状は
・眠気がすっきり取れない
・起床時に口の中がカラカラに乾いている
・日中の眠気
・疲労感
・頭痛
などがあります。

いびきが危険な理由

いびきは舌が上気道に落ち込んで、気道が狭くなっている時に起こります。通常ならば寝ている時でも十分空気を確保できるため、いびきは起こりません。

しかし気道が狭くなるとその分、取り込める空気の量が不足します。いびきを日常的にかいているということは、身体が常に酸欠状態であることを意味します。

無呼吸症候群の主な原因

睡眠時無呼吸症候群

http://osiyosan-1.com/archives/896

・肥満
肥満だと、喉や首まわりにも余計な脂肪がついてしまうため、気道が狭くなります。

・扁桃肥大
扁桃肥立には先天的なものと後天的なものがありますが、大きくなりすぎた扁桃が気道を塞いでしまうものです。

・下あごが小さい
下あごの小さい人は、本来収まるべき部分に舌が収まりきらず、喉の方に引っ込んでしまい、気道が狭くなることもあります。

・アルコールの摂取
寝酒は入眠しやすくなると思われていますが、アルコールには筋肉を緩める作用があり、睡眠で自然に緩む筋肉を必要以上に緩めてしまうため、喉や首周辺の筋肉が緩みすぎて気道を狭めてしまいます。そうなると結果的にはいびきが出やすくなります。

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自分でできる対策

肥満にならない

余計な脂肪がつくことで気道がせまくなり、無呼吸症候群のリスクが高まります。
健康を保つためにも第一に標準体重を維持することが大切です。
肥満防止のため、寝る前に食事をすることも控えましょう。

胃の中に食べ物が残っていると、横になったときに食べ物が上まで上がってくることがあります。そのとき体は誤って器官に異物が入らないように、気道を狭めてしまいます。

寝る態勢や環境を変えてみる

仰向けだと舌が喉のほうに下がり、気道を塞ぎやすくなります。
抱き枕やクッションなどを活用して真上を向かないようにすれば、舌が喉のほうに落ちることもなくなるのでいびきの予防にもなります。

また柔らかすぎるマットは体が沈み込んでしまい、寝返りが打ちにくくなり、疲れも取れにくくなってしまいます。

固めのマットを利用し、寝返りしやすい環境を作ることで呼吸が苦しくなったときに自然と向きを変えやすくなります。

寝る前にアルコールを飲まない

アルコールで必要以上に筋肉が緩むと、その分気道も狭まりやすくなるため、普段はいびきをかかない人もいびきをかくようになります。
寝酒が習慣になっている人は、出来るだけアルコールに頼らない入眠方法を見つけましょう。

鼻炎や鼻づまりを改善する

鼻炎や鼻づまりが原因で鼻呼吸ができない人は口呼吸になってしまいます。口呼吸は口の中が乾燥し、いびきを悪化させます。
鼻の不調を改善することで、鼻呼吸しやすくなります。

薬の服用は医師と相談する

睡眠薬や精神安定剤には緊張を緩める作用があるため、筋肉も緩みます。無呼吸の傾向があるとかえって症状を悪化させる可能性もあります。薬の利用が本当に必要なのかどうかを医師と相談してみましょう。

よく噛んで食べる癖をつける

現代人は柔らかい物を好むため、よく噛んで食べる習慣がほとんどありません。よく噛まずに食べるということは、顎や舌の筋肉を鍛える機会が減っているということです。
顎や首周辺の筋肉が衰えてくると気道周辺の筋肉もたるみます。そうなってくると気道が狭くなってしまいます。

よく噛んで食べるようにすると、筋肉が刺激され、鍛えることができます。よく噛んで食事をし、衰えた筋力を強化しましょう。

治療法

睡眠時無呼吸症候群

シーパック

専用マスクを装着し、鼻から直接空気を送り込む方法です。
効果を最も実感しやすい方法ですが、持ち運びが不便でどこでも手軽に利用できるわけではありません。
中度以上の患者に利用。価格相場は20~40万円ですが、レンタルもあります。保険適用で月5,000円、適用外で月15,000円程。

マウスピース

寝るときに装着する器具です。いくつか種類はありますが、睡眠時に気道を確保しやすくするという点が共通しています。

身体的負担が少なく、口にはめるだけで利用できます。自分の噛み合わせにあったマウスピースを歯科で作ることが大切です。軽度~中度の患者用。

15,000円ほどで作ることができます。一度作ってしまえばずっと使い続けることができます。
神経質な人や実歯が少ない人、18歳未満の人など利用出来ない人がいます。

手術

気道を塞ぐ原因となっているものを除去して、気道を広げます。術後の痛みを感じたり、十分な効果が得られないこともあります。
(扁桃肥大の場合は口蓋扁桃という部分、アデノイド肥大の場合は咽頭扁桃という部分のリンパ組織を取り除く)

ナステント

鼻から喉ちんこ付近までシリコン製のチューブを入れ、気道を確保します。ドラッグストアなどにも売っている一般医療機器なので、入手しやすくなっています。

多くの人が利用でき、とても柔らかい素材でできているため身体的な負担も少なくなっています。しかし使い捨てのため、1か月で20,000円ほどの出費になります。

以上の治療以外にも、肥満があれば減量も同時に行います。

睡眠時無呼吸症候群と死亡リスク

睡眠時無呼吸症候群

http://irorio.jp/karenmatsushima/20141026/172561/

睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧、心不全、脳卒中、不整脈、狭心症、糖尿病、突然死などの発症率がそうでない人と比べて高くなっています。

睡眠時無呼吸症候群が直接的な原因で死亡することは稀ですが、そのせいで様々な合併症を引き起こします。
睡眠中も心臓に大きな負担がかかっていることから、循環器系にダメージが蓄積されていきます。

中でも突然死に関しては健全な人より2.57倍も高い確率で起きていることが報告されています。

最後に

閉塞性の睡眠時無呼吸症候群は治療できる病気です。
家族の中に当てはまる症状の人がいたら受診を促し、いびきや無呼吸などの自覚症状がなくとも、「なんだかおかしいな……」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。

受診するのは耳鼻咽喉科か呼吸器・循環器系統を扱っている内科になると思いますが、睡眠時無呼吸症候群に詳しくない場合もあるので、近くに睡眠を専門に扱っている外来があるならそこが一番確実です。

症状があるからとといってすぐに命に関わる病気というわけでもありませんが、発見が遅れてしまうとそれだけ死亡リスクも高まります。

原因も人によって異なっているため、早期発見し、それぞれにあった対策や治療法を見つけていき、早期治療へとつなげていきましょう。

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